中目黒に潜むサバンナの水場
中目黒の暗がりに暖かい光が灯り、店内の音楽とテーブルの上のキャンドルライトがリラックスさせてくれる空間が広がる。肉が焼ける香ばしい香りが店内には充満し、食欲が刺激される。
「みんなの憩いの場というか、サバンナにある水場みたいな。アーティストとか絵描き、スケーターとかいろんな人が集まるみんなの水場がコンセプトのお店です。」と語るのは本格的なバーベキュー料理を展開するHATOS BARのディレクターのKON氏。
お店をスタートアップしたブラント氏は、アメリカ中を転々と旅をしていた時に様々なスタイルのBBQに出会い、その中でもカンザススタイルのBBQからのインスピレーションを大きく受け、その時の味わいをオマージュしているという。
「コンペティションをしたかった訳ではなくて、年齢や国籍、地位や性別関係なく、みんなが平等に安心して過ごせるサバンナのオアシスを作りたかった。」とブラント氏は語る。
調理場の大きなバーベキューピットで調理されるのは、日本ではなかなか見つけることのできない本格的なBBQ。1番の人気メニューであるロインバックリブスは、5〜6時間かけて調理されてとても柔らかく、大胆に骨を持ってかぶりつくのがHATOS BARのスタイル。バーベキューだけではなく、マカロニ&チーズ、チリチーズフライなど食欲が刺激されるメニューが連なる。食事だけではなくそれと合わせて楽しむビールも素材やフレッシュさに拘り、自社ビールを4タップとシーズンに合わせて2タップ、常時6タップを提供している。
「来店されるお客様はすごく幅広いですね。スケートボーダーだったり絵描きだったり、金融の方だったり子供だったり外国の方だったり。特に誰がってことがない。」
食事、音楽、アート、そしてそこに集まる人がトータルでHATOS BARの思わず長居をしたくなるような心地いい水場を作りだしている。
色づく白い壁
HATOS BARに足を踏み入れた瞬間に感じるのは温かい雰囲気。そしてカラフルなアート、ステッカー、ガラスのライト、友人や常連のお客さんが残した落書きで埋め尽くされた白い壁が出迎える。
「アートに関しては友人の繋がりも大切にしながら、季節ごととか、その時のひらめきとか、自然な流れで変えてます。」と語るKON氏。
「このアートはMOZYSKEYっていうアーティストの。その方が春の彩りというか桜の彩りみたいな作品があるからちょっと一回飾りたいって言ってくれて。」
白い壁に飾られたピンクのアートは、それぞれ大きさや色味が異なり、四角い窓から桜の木がのぞいているような、そんな春らしさを感じることができる。
また、店内に入ると一際目を惹く天井まで大きく伸びる木もアート作品の一つ。これは本物の木で、アーティストの友人が店内に残していったもので、今ではシンボル的存在になっている。
元々最初からギャラリーにしようとしていた店内だったが、アーティストたちだけではなく、常連のお客さんたちもステッカーや落書きを残していくこともあるのだという。
「今ある壁とかもずっとあるわけではない。上からまた塗っちゃうから、ホワイトボックスにしている。絵が飾りやすいように。」
季節ごとや訪れるタイミングによって出会える作品、アーティストも変わる。そんな期間限定の楽しみ方もできるのがHATOS BARだ。
みんなで織りなすグルーヴ
「ビールとか、もちろんお客様とかも一つ一つ大切なものなんですけど、やっぱり音楽も本当にその一つですごく大切なものだと思って扱ってます。」と語るKON氏はDJとして活躍する一面も持つ。
店内で流れる音楽には特に拘りを持ち、サウンドデザイナーに設計を依頼して店内で音楽をしっかり楽しめる環境を作っているという。
「今の流行りの音楽っていうよりは、お客様ないしスタッフの働いている時間帯とか忙しさによってジャンルを問わずグルーヴする音楽をかけるようにしてます。」
店内で開催されるパーティーなどで、スタッフたちとともに音楽を楽しむ時間を過ごすこともあるという。
「お店で働くスタッフたちはみんなすごくいい子たち。すごく純粋で、カルチャーとかも好きで、働き者。」とHATOS BARで働くメンバーについて語る。店内のカウンター席に座り、スタッフと常連のお客さんが生み出すグルーヴもまた最高な時間だという。
「音楽だったり、人の創り出すものだったりっていうことで多少なりとも(訪れるお客さんに)影響してたらありがたいなって。」
リラックスできる空間の中で、新しいインスピレーションに出会えるHATOS BAR。是非足を運んでみてはいかがだろうか。
店舗情報:
HATOS BAR (@hatos_bar)
Tel:03-6452-4505
〒153-0061 東京都目黒区中目黒1-3-5 プリンスコーポ 1F
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