
Breakfast Clubというお店
中目黒の片隅に、こじんまりとした温もりのある朝食専門のダイナーがあるのをご存じでしょうか。「BREAKFAST CLUB」は、足を一歩踏み入れるとベーコンを焼く音や卵のいい香りが出迎えてくれるだけじゃなく、若くて少しアーティスティックな雰囲気のスタッフさんが優しく挨拶をしてくれる素敵なお店です。地元民、観光客、学生、クリエイターなど来る人たちみんなから愛され、誰でも歓迎してくれる。ただの朝食屋さんとは一味違う、落ち着きとワクワクがどっちもある不思議な空間です。
「スタッフは私にとって宝石みたいな存在なんです」と語るのは、店主の塩井るりさん。天真爛漫で、大切なことに心を注ぎ、周囲の人を大事にする。そんな彼女はかつて東京のクラブシーンをバックステージから牽引してきた、多くの人にリスペクトされている存在。人をもてなすことが好きなだけじゃなく、目の前の人たちを大切にし、楽しい時間と空間を提供するプロフェッショナルです。

その彼女が始めたBreakfast Clubは、やっぱりたくさんの人から愛されて、彼女の愛がいっぱいに詰まっている場所です。
お客さんにはどんな人が多いのか聞いてみると、「どんな人っていうのは分からない。特定の誰かのためじゃなくて、どんな人でも、来る人みんなのためのお店なの」とのこと。

実はここ、ただ朝食を出すだけではなくアートの展示やクッキングイベントやポップアップ、ワークショップなどを開催することも。
例えば「Toilet Exhibition(トイレの展示会)」は、アイディアが斬新で可愛いだけじゃなく、始まった経緯にるりさんやお店のスタッフたちの気持ちが込められています。いきなり大きなギャラリーで個展を開くのは難しい、という今はまだ駆け出しのアーティストがお客さんにもスタッフにもいるBreakfast Clubだからこそ、彼らが活躍できる場を作ろう、と始めた展示なのです。これが一つの土台となって次のステップにどんどん進出して行ったら良いね、という想いが込められているとか。
トイレに入ると、その時々で色々な展示がしてあってワクワクします。
コミュニティの魔法

またある時はクッキングイベントの時に「お父さんと一緒に料理をさせてほしい」と、ブラジル人の青年が親子で訪れ、彼らが作った料理をみんなでわいわい食べた、という逸話も。
Breakfast Clubは毎日がイベントフルです。

パンデミックを経て今なお愛され続けているこのお店には、るりさんのハートとスタッフたちの優しさが空気に満ちています。
「次に何が起こるかなんて誰も分からない。だから隣に誰かいてくれるのって、すごく大事だと思うの。」そう語るるりさんの隣には、スタッフがうなずきながら腰掛けています。
先は分からずともその流動性を受け入れ、今日1日を大切に過ごす。そこに自然と人が集まってきて、化学反応が起こる。Breakfast Clubにはそんな魔法があります。
今、この瞬間を生きる
「大きなことはしていないし、できない。けどここに集まってきた人同士で何かが生まれて、そこにまたみんなが参加してっていうコミュニティができる。いじめたり、お互いに歪みあったりする世界じゃなくてそういうコミュニティが生まれるのが嬉しいよね。」
ただ目の前のことに心を注いで、周りの人を愛する。そんなるりさんのハートは、スタッフやお客さんにも受け継がれていっているように見えました。
みなさまもぜひ、Breakfast Clubの暖かい空気に包まれにお店に足を運んでみてはいかがでしょうか。

店舗情報:
Breakfast Club Tokyo (@breakfastclubtokyo)
Tel:03-6886-8872
〒153-0043 東京都目黒区東山2-2-4